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オンラインで好感が得られる「顔の位置と大きさ」

2022/9/8

東洋経済オンライン

ビジネスでも、学びの場でも、「オンラインが日常」という人が増えています。けれどもオンラインでは、いまだに「今ひとつ勝手の違いに慣れない」「うまく伝わっているのか、どうも自信がない」「商談が難しくなった」といった悩みを抱えている人が少なくありません。「オンラインコミュニケーションで好印象を与える方法」は、皆が知りたいところでしょう。 放送メディアで活躍し、コミュニケーションコンサルティング事業を展開する竹本アイラさんの著書『オンラインでは目を見て話すな』(※外部サイトに遷移します)には、「オンラインで好印象を与える・成績を伸ばす」ヒントが満載です。本稿では基本的な「オンラインコミュニケーションのコツ」を3回にわたってご紹介します。 第2回は「いざ、話すときに気をつけたいこと」「相手に好感を持ってもらい、信用してくれるためのコツ」です。

オンラインの場に臨むとき、「準備」はとても大切です。 カメラの「高さ」や「角度」もチェックポイント。カメラの位置によって、あなたは魅力的にも見えれば、傲慢な印象にもなります。 カメラが目よりも下にあると、あなたは威圧的で偉そうな印象になります。いわゆる「上から目線」です。強気に出たい場面ではいいかもしれませんが、採用面接を受けていて「生意気だ」という印象を与えたくはないですよね。 逆に、カメラがあなたの目よりも上にあると、いわゆる「上目遣い」になりがちで、媚を売っているような印象になります。

カメラとの距離にも気をつける

自分とカメラとの「距離」にも気をつけましょう。オンラインではカメラとの距離が10センチ違うだけで、画面に映るあなたの大きさが極端に変わります。「圧が強すぎる」印象にもなれば、「存在感がゼロ」になることもあります。 画面に映るあなたのサイズの大小は、そのまま、あなたの「存在感」の大小になります。画面のあなたが小さければ、存在感も小さくなり、消極的な印象になります。下手をすれば「会議に集中していない」と思われかねません。 逆に、映る姿が大きくなればなるほど、それに比例して存在感が増します。会議に積極的に参加している印象になるでしょう。ただし、アップにしすぎると、存在感が大きすぎて、少し圧迫感を与えるかもしれません。 オンラインで画面に映すときの理想の範囲は「上半身、バストアップ」。証明写真をイメージしてください。

「背景」も重要です。できる人は、実際に会ったときに相手の足元を見て靴もしっかりチェックしますが、オンラインでは背景をあなたの評価材料にします。きれいな風景写真やポスターを壁に貼る、花を生けるなど、背景を飾るだけで、明るさや「きちんとしている感」を演出できます。 逆に、背後に映り込んでいた物のせいで、あらぬ疑いをかけられたり、評価を下げられたりすることがあります。本棚が背後にあるなら、タイトルを見られても格好のつく本を並べておくことです。 クレーンゲームで取ったぬいぐるみ、コレクションのフィギュア、アイドルのポスターなど、趣味が露わになる物が映っていると、自分では気持ちを仕事モードに切り替えていても、相手の印象は背後のプライベート空間に影響されてしまいます。

バーチャル背景の利点・欠点

Zoomなら背景をバーチャルに変えることができます。むやみに使うと印象を悪くすることがありますが、自己PRのうまい人は自作の「バーチャル背景」を上手に使って、さりげなく自分のビジネスの宣伝もしています。 ただし、お互いの人柄がよくわからず、まだ信頼関係が築けていない場合に使うと、「何か隠したいことがあるのではないか?」などと変に勘繰られるかもしれません。初対面の相手にはオフィスや自宅をそのまま見せるほうがいい場合もあります。 バーチャル背景を使うにしても、実際の背景にも気をつけてください。急にかがんだり腕を上げたりすると、バーチャルの処理が追いつかず、実際の背景が映ってしまうことがあるからです。 家族やペットも背景のようなもの。家族が半裸であなたの背後をうろついたり、猫がパソコンの上を何度も横切ったりすることがないように、家族には事前に「今からオンライン会議だから、終わるまで後ろは通らないで」などと伝えておきます。

見た目の印象をよくするには、「照明」「窓の位置」も重要です。窓が背後にあると逆光で顔が暗くなり、性格まで暗いと思われます。 Zoomには画面を明るくする機能があります。マイビデオの「低照度に対して調整」にチェックを入れると、自動的に明るさが調整され、かなり明るくなって好感度が上がります。 窓がないとか夜間で部屋全体の明るさが足りないときには、「リングライト」がおすすめです。大きさも価格もさまざまですが、一般的なリングライトは寒色系の光と暖色系の光に切り替えられます。寒色系の光は透明感のある肌に見せ、暖色系は赤みが強く出て顔色が健康的に映ります。 ただし、リングライトの光の届く範囲は数十センチまで。背景までは照らしません。背景が暗いと全体が暗い印象になるので、リングライトは真っ暗な中ではなく、通常の照明をつけた、ある程度明るい状態で、さらに自分を明るく見せるために使うと思ってください。

画面に映るあなたの印象を一瞬でパッと明るくする方法があります。それは白い服を着ること。黒い服だと顔映りも暗くなりますが、白い服はレフ板のように下からの光を反射して、顔のシワや肌の凹凸を目立たなくさせ、印象を若々しくします。 男性もオンラインでは明るい色のジャケットがおすすめ。白いシャツにパステルピンクやパステルイエローのネクタイ、明るい紺色のジャケットは好印象を与えます。オンラインミーティングの前には、自分が画面にどのように映るのかを必ずチェックしましょう。

実際のミーティングで大切なのは「目線」です。目線をどこに持っていくかで、あなたの人気もビジネスの成約率も変わります。 「相手の目を見て話しなさい」と教わった人は多いと思いますが、日頃から相手の目を見ながら話す習慣のある人は、画面越しでも相手の目を見て話しがちです。でもオンラインではカメラのレンズを見ない限り、相手は「自分が見られている」ようには感じません。それどころか、視線をそらせているように思われるのです。 特に複数の人が参加していて、話者が画面の右端や左端に映っている場合、あなたは話者の目を見て真剣に聞いていても、相手の目にはそっぽを向いているように見えています。下手をすると「きちんと話を聞かないから信用ならない」と誤解されかねません。 オンラインで相手と目を合わせるには、カメラのレンズを相手の目だと思って、時折「カメラ目線」にすることです。

スマホであればカメラのレンズと画面に映る相手の目の位置が近いので、目線のズレも小さく、それほど気になりませんが、それでも横置きで使うと目線が外れている感じが強くなります。 パソコンは画面が大きく、カメラのレンズの位置と、画面の中の相手の目の位置が離れているので、ズレが大きくなります。カメラがどこにあるのか、自分が相手の画面にどう映っているのか、最初は常に意識する必要があります。 慣れないと違和感がありますが、「カメラ目線」を取り入れるだけで、相手の画面に映し出されるあなたの印象は、「きちんと話を聞いてくれる人」「一生懸命に伝えようとしてくれている人」にガラリと変わります。 といっても、多くの日本人は、ずっと相手の目を見続けることも、見られ続けることも苦手なので、話している間中、ずっとカメラ目線で話す必要はありません。相手の名前を呼ぶときや、文章なら句読点を打つようなところだけカメラ目線にすれば十分です。

メモを取るときはひと言声かけを

話を聞きながらメモを取ることがあるかもしれませんが、机上や手元までは映らないので、あなたがメモを取っていることが相手にはわかりません。あなたがいきなり下を向いたきりなので、話し手には「話に興味がなくなった」「聞く気がなくなった」ように見えてしまいます。

カメラに映らない行動については、「メモを取りながら聞きますね」などとひと言フォローするといいでしょう。 最も大切なのは「相手を安心させる」ことです。目から上と天井だけを映しているような人もいます。散らかった部屋を映したくないのかもしれませんが、それは自分の都合だけにフォーカスしていて、「相手を安心させる見せ方」をまったく考えていない行為です。 背景を整えるのは、自宅やオフィスがきれいなことをアピールするためばかりではなく、きれいで明るいほうが相手が安心するからです。 オンラインでは「大きなリアクション」と「笑顔」が必須ですが、それも相手が安心して話しやすくなるから。相手に安心感を与えられれば、「また話したい」と思ってもらうこともできるのです。

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