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それでも早期退職したい人にサイドFIREという策

2022/9/16

東洋経済オンライン

「働かずに生きていきたい」「場所や時間にしばられず自由な人生を送る」 日々、仕事に追われながら、心の奥底にこのような夢や理想を描いている人も多いことでしょう。そのような中で、いま注目されているのが「FIRE」という考え方です。経済的自立を達成し、早期退職をして自由な人生を手に入れるという生き方です。 FIREの実現には、「株式投資で得られる配当金を不労所得として生活費にする」「生涯にわたって必要な資産を築き、退職後に切り崩す」という方法がありますが、投資家のぽんちよ氏が勧めるのは、「サイドFIRE」という方法です。サイドFIREは、資産をある程度積み上げ、早期退職はするものの、退職後は「資産収入+労働収入」の組み合わせにより生活していく方法です。

本稿では、『めざせサイドFIRE! 個人で生きぬく副業入門』(外部サイトに遷移します)を一部抜粋し再構成のうえ、サイドFIREの考え方、サイドFIREに必要なものについてお届けします。

高年収会社員のみの特権? FIREの厳しい現実

一般的なFIREのイメージは、「不労所得だけで生きていく」というものです。しかし実際に配当金などの不労所得のみで生活費を賄う場合、莫大な資産が必要です。例えば、月20万円(年間支出240万円)の生活費を配当金から生み出す場合には、約8000万円の資産が必要です。

参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/613422 (画像:『めざせサイドFIRE! 個人で生きぬく副業入門』)

もしあなたが「コツコツ積立投資をして10年後にFIREしたい」と考えた場合、10年間で年利5%の運用ができたとしても、必要な積立投資額は毎月52万円。このような積立計画を遂行するためには、「生活費10万円+税金+社会保険料」を加味すると、額面で年収1000~1100万円が必要です。普通の会社員にとってFIREは、手の届かない世界です。

もちろん「10年後にFIRE」ではなく、15年後、20年後でもよいというならば、より少ない年収でFIREが可能です。しかし、これでは時間がかかるため、すでに「早期リタイア」とは呼べないでしょう。 一方、もしあなたが副業に取り組みサイドFIREを目指すのであれば、「資産収入+労働収入」が生活費を上回ればよく、長期の資産形成プランを立てずとも、副業収入が生活費を超えた瞬間にFIREすることができます。

参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/613422 (画像:『めざせサイドFIRE! 個人で生きぬく副業入門』)

サイドFIREに必要な「副業」「節約」「投資」

参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/613422 (画像:『めざせサイドFIRE! 個人で生きぬく副業入門』)

「資産収入+労働収入>生活費」。このサイドFIREを達成する条件を満たすには、「副業」「節約」「投資」が非常に重要です。 もしあなたの副業収入が生活費を超えるならば、いますぐ退職届を書き、今日からサイドFIREすることも可能でしょう。しかし、収入が増えた人の落とし穴は、「稼ぐのに比例して支出も上がってしまう」ことです。 これは副業成功者だけではなく、年功序列型賃金で働く会社員にも言えることです。昇給により収入が上がっても、多くの人は、毎月の貯金額を増やすことができません。「ちょっとよい物を」「すこし贅沢に」と考えて、同時に支出額も上がってしまうからです。

参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/613422 (画像:『めざせサイドFIRE! 個人で生きぬく副業入門』)

しかし、あなたがサイドFIREを目指すならば、このような衝動をぐっとこらえて節約をし、蓄財にまわす必要があるでしょう。「副業収入>生活費」という図式が成り立っていても、いざ退職という瞬間になると、「この副業収入は今後も続くのか?」という不安におそわれます。 このような不安を解消しFIREに踏み出すには、副業で稼ぎながら節約をし、お金を投資にまわして資産拡大を加速させ、ある程度まとまった資産を築く必要があるのです。

FIREを目指すうえで「節約」は欠かせないテーマです。それは「入金力を高め、資産形成を加速させる」という側面だけではありません。むしろFIREにおいて節約が重要なのは、「FIREするための目標資産額を下げる」ことにあります。 例えば毎月20万円の生活費(年間支出240万円)ならば、不労所得だけでFIREする場合、目標資産額は8000万円です。しかしもし、節約を成功させ生活費が毎月15万円(年間支出180万円)になれば、目標資産額は6000万円に下がります。先ほどの生活費毎月20万円の場合に比べ、目標資産額が2000万円も減少します。

また節約した分、投資にまわす入金力も上昇するため、FIREまでの年数を数年単位で短縮することができます。節約の手法として、「外食を自炊に変える」「コンビニを使わない」「携帯料金を見直す」などが考えられますが、私のおすすめは「家計簿をつける」ことです。 家計簿を記録しながら「その支出は自分にとってよいものであったか?」と自問自答して支出を最適化するとともに、「今の生活費であれば、FIREするためにいくら必要なのか?」という目標額を明確化していきましょう。

サイドFIREを目指すなら重要なのは入金力

参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/613422 (画像:『めざせサイドFIRE! 個人で生きぬく副業入門』)

社会人にとっての入金力(投資にまわすことができるお金)は、「毎月の収入(会社員としての給料)ー生活費」によって決まります。この入金力を上げれば上げるほど資産形成は加速されます。

めざせサイドFIRE! 個人で生きぬく副業入門
参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/613422 『めざせサイドFIRE! 個人で生きぬく副業入門』(主婦の友社)

例えば、目標資産額が6000万円の場合、積立投資額が毎月10万円だと26年後、毎月15万円だと20年後、毎月20万円だと17年後に到達することができます(利回り5%計算)。 入金力上昇の大きなカギは節約ですが、会社員としての給与所得のみであれば、収入の上限、すなわち入金力の上限が決まってしまいます。 いかに早期に退職するか、そのためには給与所得以外の収入を作り上げる必要があります。また、副業収入があれば退職後に配当金だけで生活費を賄う必要がなくなるため、目標資産額自体も下げることができます。 会社員として給料を上げるための「残業」や「転職」という選択も考えられます。もちろん資産形成と同時にキャリアアップや年収アップ転職も有効ですが、サイドFIREの早期実現を目指すのであれば、退職後の収入源を作るうえでも、副業をすることが非常に重要だと私は考えています。

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